三角的映画

2007年9月26日 (水)

でも、ジェシカ、じゃなくって。

ただ今、ロッキングオン社から発売中の映画専門誌『cut』10月号、ですよ。

なにが「ですよ」って、あなた、この表紙ですもの(↓)。

■ロッキングオン「cut」公式ページ http://www.rock-net.jp/cut/index.html

ねえ・・・、クラシックなこのポーズ、この表情が21世紀の雑誌の表紙になるなんて、やっぱり2007年の「彼女」にしかできないんでないかい、ジェシカ・アルバちゃん。可愛いねえ・・・。下手な難癖なんて、軽くあしらっちゃう可愛らしさだよ、したたかだなぁ~や。

でもね、問題は同誌で紹介の、スペイン・メキシコ合作映画、米アカデミー賞・3部門受賞の『パンズ ラビリンス』なんだな。

■「パンズ ラビリンス」日本公式ページ http://www.panslabyrinth.jp/

同映画のスチルを見ると、はい、異形の魔人と対峙する少女の姿ですねえ。ファンタシィですねえ。それで「ラビリンス」とくれば、私なんかはすぐにジェニファー・コネリーちゃん(←当時はな!)とデヴィッド・ボウイ大導師(←これは今でもな!!)の”あれ”、その名も『ラビリンス』を思い出してしまうというスーダラ三角また来て四角なのだが、ね。

まずまず、多感な季節を迎えた少年・少女が、ある現実の不幸をきっかけにファンタシィの世界に踏み込むという物語は、古今東西、ネタに事欠かない。世界一の大ベストセラー「ハリー・ポッター」だって、そうだった。だけど、この作品の、えっ??ってところは、多感以前の純粋な少女が、歴史上実際にあったファシスト政権下の悲劇に出合うところから始まっているという設定なんだよね。

公式ページ(日本)のレヴューでは、現代ホラー界の旗手・スティーブン・キングさんが「『オズの魔法使い』以来」と表現しているし、あるいは、「『ロード・オブ・ザ・リング』と同レベル」(「エンタテインメントウィークリー」リサ・シュワーバウム氏)という評もあるけれど、・・・どうよ、この作品の目線は、遥かにそれらの上を見据えているのではないですかね?!。いや、たくさんの傑作ファンタシィの歴史があったからこそ、ここまで突き詰めた作品が生まれてきたのかもしれないけれど。

しかも、これ映画だよ。人類の歴史とほぼ同じ時間を費やしてきた伝統の文学じゃなくて、たかだか100年の歴史しか持たない映画というメディア、それでやろうとしてるんだぜ!。米アカデミーが目を付けたのも、むべなるかな。

久々に鳥肌もんの新作映画がやってきた!!。

映画として、物語のきっかけとなる悲劇とその舞台を、数十年前のファシスト政権に標準したのは、如何なものなのか??。21世紀の現在だって、悲劇は未だにたくさん満ち溢れているのだもの。なぜ、過去を起点にしたのか?!。その評価は、見なくちゃわからない!!。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月 6日 (木)

DVD-BOX「怪談 新耳袋」

現在、DVD-BOX「怪談 新耳袋」を見ています。好きなんですよ~、怪談。

DVD6本立てで、5分間のショートムーヴィーがなんと99本(!)。もともと、原作となった『新耳袋』が好きだったので、購入いたしました。

さて、ショートムーヴィーになった「新耳袋」は、原作をしこたま読み込んでいる(?!)私でさえ元ネタがわからないほど大胆に翻案して作品化されているので、当然ながら原作とは別物です。でも、この出来がなかなかよろしい!。

ショートムーヴィーという枠で観客を怖がらせる、これをちゃんとやっている。なにしろ、このスタッフとキャストで短編ホラーを作ったら、そりゃあもう血統書付きもいいところだからねえ(!!)。まあ、だからポンと買っちゃったんですけどね、こりゃ間違いねえや、って思ったから。

原作(書籍)とショートムーヴィー(DVD)の内容の最大の違いは、物語の語り手です。

原作では、飽くまで怪談収集家の木原浩勝・中山市朗の両氏が聞いた話を語るという体裁ですが、ショートムーヴィーでは事件の当事者が語り手となります。観客がダイレクトに、恐怖の現場に突き落とされる形になっている。

どんなに恐ろしいエピソードでも、原作版では最後に語り手(木原・中山)が現れて(これは、文体の妙です)、ある程度はホッとさせられるのですが、このショートムーヴィーでは、当事者が語り手になっているために、まったく救いのない、絶望的に恐ろしい話が続出する事態になっています!!。怖いぞ~、マジで。

のっけの、DVD・第一話(「来客」)からして、そうだもの。第一話でいきなり観客を救いようのない所まで突き落として、どうする気だ!!。こりゃ、キツいぞ。「おかあさんっっ!、おねえちゃんっっ!」と助けを叫ぶ主人公の少女に、なんの助けの反応のないあたりは、デュ・モーリアの短編「鳥」(ヒチコック氏が映画化した、あの原作)の終盤を連想させた。ま、デュ・モーリアのかの作は、もうちょっと静かだけどね。

深夜のドライブ、助手席の男が「ほんとうに怖いものが見たいかい?」と聞いてきたらご用心だね。「見たい」のなら、覚悟が必要だよ!。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月22日 (水)

タランティーノ、ロドリゲスの新作が・・・

 タランティーノ、ロドリゲスの新作は「イン グラインドハウス」と名づけられた「デス・プルーフ」(タラ)と「プラネット・テラー」(ロド)だって。

 「グラインドハウス」とは、日本の「名画座」にあたるのかな、ニュアンスの差はあるけど。何が飛び出すかわからないB級・C級の(チープな)面白ムーヴィーを数本立てで掛けていたアメリカの映画館の事なのね。その雰囲気をコンセプトにして、当代きってのヒットメーカーに映画をつくらせちゃうんだから、ハリウッド恐るべし。

 日本の映画メディアで言えば、雑誌「映画秘宝」のコンセプトそのまんま。「映画秘宝」さん、どうよ。素直に喜ぶ?。ハリウッドに確信犯でそれをやられちゃあって、拗ねる?。どっちにしても、楽しませてもらうしかない?!。

 でもまあ、かつてのルーカスが、古き良きB級・冒険チャンバラのコンセプトで、A級レベルの可能な限りの予算と技術をつぎ込んだ「スターウォーズ(epi.4 "New Hope")」を作って大成功したのが30余年前の話だ。

 B級(周縁)の面白さ・猥雑さが、常にA級(中心)を刺激していると、20年前の思想ならそう解説するんだろうな。「中心と周縁」、懐かしいフレーズを思い出してしまった。

 アメリカ合衆国、単に病んでるだけの大国じゃないと思う。僕は、一言で「嫌い」とは言い切れないな。

| | コメント (0) | トラックバック (1)